オゼンピック(セマグルチド)の作用機序と副作用
オゼンピック皮下注(セマグルチド)の週1回の単回使用製剤をはじめました!
用量別の使用法
- 0.25mg製剤:導入時に使用する
- 0.5mg製剤:通常の維持用量に使用する
- 1.0mg製剤:効果不十分な場合の増量用
オゼンピックは週1回投与のGLP-1受容体作動薬(GLP-1アナログ製剤)に分類されますが、類薬としては既に5製品が販売されています。2015年に登場したトルリシティ以来のGLP-1アナログ製剤ですね。
今回はオゼンピック(セマグルチド)の作用機序、そして既存のGLP-1受容体作動薬との比較についてご紹介します。
GLP-1は食事が小腸を通過することで分泌されるホルモンで、以下のような働きを有します。
- 食後高血糖を抑える
- 胃排泄遅延
- 食欲抑制
血糖値が低い時にはインスリンの分泌を促進しないため、原則、過剰に分泌されても低血糖になる恐れがありません。
オゼンピック(セマグルチド)の作用機序
通常、生体内のGLP-1はDPP-4によって速やかに分解されてしまいます。
そこでオゼンピック(セマグルチド)に代表されるGLP-1受容体作動薬は、GLP-1のアミノ酸配列を改変させてDPP-4の分解を受けにくくした薬剤です!
別名、「GLP-1アナログ製剤」とも呼ばれています(アナログとは“類似の”という意味です)。
従って、投与されると生体内で長時間作用するのが特徴です。
また、GLP-1は血糖値が低い時にはインスリンの分泌を促進しないため、生体内に長時間滞留しても低血糖になる恐れがありません。
胃排泄遅延と食欲抑制によって、体重減少効果も示唆されています。
副作用
主な副作用としてムカムカ、下痢、、便秘などが報告されています。
用法・用量
通常、成人には、週1回0.5mgを維持用量とし、皮下注射します。
ただし、週1回0.25mgから開始し、4週間投与した後、週1回0.5mgに増量します。
なお、患者さんの状態に応じて適宜増減できますが、週1回0.5mgを4週間以上投与しても効果不十分な場合には、週1回1.0mgまで増量することができるとされていますね。
用法・用量
- 導入期:0.25mgSD製剤を週1回、4週間投与
- 維持期:0.5mgSD製剤を週1回投与
- 維持期を4週間以上行っても効果不十分な場合:1.0mgSD製剤を週1回投与
オゼンピックとトルリシティの使い分け(エビデンス紹介)
また、オゼンピックはメトホルミン併用下でトルリシティ(一般名:デュラグルチド)との直接比較試験(SUSTAIN-7試験)において、オゼンピックの方が体重減少割合が有意に高かったことが示されています。2)
本試験ではオゼンピック(0.5mgまたは1mg)とトルリシティ(0.75mgまたは1.5mg)をそれぞれ40週投与し、低用量/高用量別で有効性を比較しています。
主要評価項目は「40週時点のHbA1cのベースラインからの変化率」でした。
試験名 | SUSTAIN-7試験 | |||
試験群 | オゼンピック 0.5mg |
トルリシティ 0.75mg |
オゼンピック 1mg |
トルリシティ 1.5mg |
40週時点の 体重の変化量 |
-4.6kg | -2.3kg | -6.5kg | -3.0kg |
オゼンピックとトルリシティは共に週1回投与ですが、臨床試験の結果からはオゼンピックの方が効果が高そうな印象を受けます。
トルリティと比較して是非、お試しください。
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